企業のDX推進に求められるセキュリティ対策とは?

DX推進のおけるセキュリティ面の課題やリスクとは

「DX推進すると情報漏洩やコストが増えるリスクがあるって本当?」

「サイバー犯罪から情報を守るためにはどうしたらいいの?」

「サイバーセキュリティはどのように行うと効果があるの?」

DX推進とは、この先の未来で企業を繁栄させ続けるためには必要不可欠な施策です。しかし、DX推進はコストの増加や業務効率化の低下などが発生するリスクがあるので、日本ではあまり進んでいません。

また、DX推進によりシステムの導入やデジタル化が進むと、サイバー犯罪に狙われるリスクも上がります。

しかし、サイバーセキュリティを正しく導入することで会社や重要情報を守ることができます。

この記事では、DX推進のリスクやサイバーセキュリティを導入するポイントについて解説します。DX推進とサイバーセキュリティ対策を合わせて行うことで、利便性の向上と脆弱性の排除を行いましょう。

目次

【DX推進】その課題とリスクとは?

【DX推進】その課題とリスクとは?

現在、多くの企業ではDX推進に向けて様々な取り組みを行っています。まずは、DXの課題とリスクについて理解し、効果的なDX推進を目指しましょう。

ここでは、以下について紹介します。

  1. DX推進とは?
  2. 企業のDX化に関する課題
  3. DX化に潜むリスク

DX推進とは?

DX推進(デジタルトランスフォーメーション)とは、システムやデバイスなどのITの浸透により、人々の生活の利便性の向上を目指して変化させる取り組みです。

日本では経済産業省がDX推進をしているため、多くの企業がDX推進を目指した取り組みを行っています。

DX推進は企業にとって、業務の生産性の向上と効率化やコスト削減などのメリットがあります。しかし、企業がDX推進を進めていくうえで様々な課題やリスクが存在しており、多くの企業でDX推進が進んでいないのが現状です。

企業のDX化に関する課題

日本でDX推進が進んでいない原因として上げられるのは、レガシーシステムという課題です。

レガシーシステムは、システムが長年使われてきたことで複雑化やブラックボックス化してしまい以下の問題が発生します。

  1. システム保守や運用のコストが高額
  2. システムのリニューアルのために仕様把握の難航
  3. システムトラブルやデータ紛失のリスク

そのため、DX推進を進めようにも以下の課題が発生してしまいます。

  1. システムやデータの調査の長期化
  2. データ連携不可
  3. 新機能導入やテストの難航

レガシーシステムにより属人化してしまうと、担当者が退職してしまった場合、システムの運用や保守ができないリスクがあります。最悪の場合、業務自体が停止してしまう可能性もあるので、早急にレガシーシステム課題は解決する必要があります。

DX化に潜むリスク

企業がDX推進を進めていく中で、以下の5つのリスクがあります。

  1. セキュリティリスク
  2. 競争力の低下
  3. 業務効率の低下
  4. コストの増加
  5. 社員からの反発

セキュリティリスク

DX推進においてシステムやツールを導入した場合、セキュリティ面を考慮していないとセキュリティリスクが発生してしまうリスクがあります。

システムを狙ったサイバー攻撃を受け、多くの企業で被害が発生しているのが現状です。サイバー攻撃から企業を守るためにも、セキュリティ対策が必要不可欠です。

DS推進のためにシステムやツールを導入する場合は、セキュリティ面にも考慮しましょう。

競争力の低下

DX推進を進めていく中で目的を明確に定めていないと、競合他社との差別化が図れずに競争力の低下につながることがあります。

システムやツールの導入することが目的にならないように、「なぜシステムを導入するのか」「何のためにツールを活用するのか」を明確にしましょう。

逆にシステムの導入により蓄積したデータの分析や検討を行い、新たなビジネスを生み出すことで競争力の増加につなげることが期待できます。

業務効率の低下

DX推進で新たにシステムやツールを導入する場合は、現場の社員へのヒアリングや理解を得てから進めるようにしましょう。

現場の現在の業務内容やフローに照らし合わせながらシステムの導入を進めないと、業務効率が悪化したり、上手くシステムが活用されなかったりするリスクがあります。

また、社内に同じ機能のシステムがあると、データ重複や業務効率の低下が起きる可能性があります。社内の既存のシステムとの連携や比較も行いましょう。

コストの増加

新たなシステムやツールの導入や開発を行うには、大きなコストが発生します。初めのうちは、現場のシステムへ慣れるための時間も必要になるため、人件費も増加する可能性もあります。

導入や開発の初期コストだけではなく、保守費用やサポート費用も継続して発生する場合もあるので、費用対効果の検討も行いましょう。

社員からの反発

DX推進によりシステムやツールの導入、業務フローが発生すると、現場の社員からの反発が起きる場合があります。

現場の意見を反映せずにDX推進を進めてしまうと、ストレスの増加や満足度の低下に繋がりるリスクがあります。

DX推進では、社員の働きやすさを重視することが最低条件です。さまざまな意見を反映させながら、DX推進を進めましょう。

DX推進によって顕著になってきたサイバー犯罪

DX推進によって顕著になってきたサイバー犯罪

DS推進を行う企業が増えたことでさまざまなシステムが開発運用されてきました。しかし、同時にサイバー犯罪が年々増加しているという問題も発生しています。

ここでは、以下について紹介します。

  1. サイバー攻撃とは
  2. サイバー犯罪の種類
  3. サイバー犯罪の増加

サイバー攻撃は情報を盗む?

サイバー犯罪とはコンピューターやネットワークに接続されているパソコンやスマホなどのデバイスを対象に、不正アクセスや破壊攻撃などの犯罪行為のことです。

サイバー犯罪者やハッカーが企んでおり、個人ではなく集団で行っていることもあります。高度な技術やスキルを駆使し、巧妙なサイバー犯罪を組織として行う場合もありますが、素人が行っている場合も多々あります。

金銭の要求だけではなく、コンピューター内のデータの破壊を目的としているケースもあり、企業にとって重要な機密情報や顧客情報を削除されたり流出されたりすることもあります。

企業を標的とするサイバー犯罪

サイバー犯罪にはさまざまな種類があり、その時代にあったあらゆる方法の手口が存在します。ここでは、企業を標的としたサイバー犯罪を3つ紹介します。

  1. マルウェア攻撃
  2. フィッシング
  3. DDos攻撃

サイバー犯罪を受けないための対策をしっかり行い、大切な情報を守りましょう。

マルウェア攻撃

マルウェア攻撃は、コンピューターシステムやネットワークをウイルスやマルウェアに感染させるというサイバー犯罪の一種です。ウイルスやマルウェアに感染させられたコンピューターは、さまざまな目的に悪用される恐れがあります。

例えば、企業にとって重要な機密情報や顧客情報を盗まれて犯罪行為に利用されたり、データに損害を与えられて業務が停止してしまったりするリスクがあります。

ウイルスチェックを頻繁に行ったり、セキュリティ自体を強化したりなどの対策を行いましょう。

フィッシング

フィッシングとは、メールに記載されているリンクから有名な企業や取引先を装った偽のサイトに誘導され、クレジットカードの番号やシステムのアカウントのIDやパスワードなどの重要な情報を入力させて、だまし取るというサイバー犯罪です。

メールの送信者がなりすましであることに気づかずに、情報の流出に繋がってしまうケースが多いため、本当に信頼できるメールかを確認してからメールを開くという対策が必要です。

DDos攻撃

DDos攻撃とは、サイバー犯罪者が複数の無関係のコンピューターを経由して、企業の特定のサーバーに一斉攻撃を仕掛けるサイバー攻撃です。無意味で膨大なデータを大量に送りつけるなどの行為をすることで、企業のシステムやネットワークに負荷をかけます。

障害発生やシステムダウンにより業務が止まったり、大損害を受けたりする可能性があります。

DDos攻撃への対策は、以下の3つです。

  1. IPアドレスの制限
  2. アクセス制限
  3. 対策ツールの導入

社内のシステムやネットワーク自体に入れないようにあらかじめセキュリティを高めたり、DDosに特化した対策ツールを導入したりすることで、攻撃を受けた場合に通信遮断を行ったりすることで被害を抑えることができます。

サイバー犯罪は増加してる

サイバー犯罪の検挙数は、検察庁の「令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2016年から2020年までの5年間で約1.2倍に増加しています。

そして、2020年では9,875件であったのに対して、2021年と2022年には12,200件を超えています。

特に、新型コロナウイルスによって始まったテレワークの弱点を対象に行うサイバー攻撃が目立っています。

サイバー犯罪の検挙数
2016年 8,324
2017年 9,014
2018年 9,040
2019年 9,519
2020年 9,875
2021年 12,209
2022年 12,369

DX時代における新常識「サイバーセキュリティ」を解説

DX時代における新常識「サイバーセキュリティ」を解説

サイバーセキュリティとは、DX推進によりデジタル化された情報のデータやシステム、ネットワーク、コンピューターなどを、サイバー攻撃から守るための対策を指します。

DX推進によりシステムの導入やデジタル化をする場合は、サイバー攻撃などの危険性がより高まるので、サイバーセキュリティの強化は必要不可欠です。

サイバーセキュリティの対策が不十分だと、不正アクセスやウイルスの感染などにより重要情報の漏洩や業務停止に繋がる可能性があります。

DX推進をする場合は、必ずサイバーセキュリティについても検討を行い導入をしましょう。

セキュリティ対策の具体例とポイントを解説

セキュリティ対策の具体例とポイントを解説

DX推進をする場合は、サイバーセキュリティの導入も同時に行うべきです。しかし、ただセキュリティ対策ソフトを導入しただけでは、サイバー攻撃から重要情報や企業を守ることは難しいのが現状です。

ここでは、以下について紹介します。

  1. サイバーセキュリティの対策事例
  2. サイバーセキュリティの5つのポイント

サイバーセキュリティの対策事例

サイバーセキュリティの対策としては、サイバー攻撃対策ソフトの導入をすることでセキュリティを高めることができます。他にも、従業員のセキュリティ意識を高めて不審な動作に気づいたら報告やウイルスチェックの対応をしてもらったり、システムやサーバーの管理方法を見直しなどの物理的な対策をしたりすることで効果が期待できます。

サイバーセキュリティの5つのポイント

サイバーセキュリティの5つのポイントを紹介します。

  1. OSやソフトウェアを更新する
  2. IDやパスワード管理を徹底する
  3. ウィルス対策をする
  4. セキュリティ意識を向上する
  5. 第三者の視点を取り入れる

OSやソフトウェアを更新する

OSやソフトウェアを更新しておくことで、脆弱性対策が行えます。

新しいバージョンが出た場合は、速やかに更新しましょう。

IDやパスワード管理を徹底する

対策ソフトやセキュリティを強化しても、IDやパスワードを知られてしまうと不正アクセスを防ぐことができません。

管理を徹底し、推測されにくいパスワードを設定しましょう。

ウィルス対策をする

ウイルス対策やサイバー攻撃対策のソフトやシステムを導入することで、不正侵入を事前に検知し、排除することができます。

ウイルスや攻撃をゼロにすることを目標にしましょう。

セキュリティ意識を向上する

システムを使うのは、従業員です。従業員は、セキュリティを意識していないとどんなにサイバーセキュリティ対策を行っても意味がありません。

セキュリティ研修や情報発信を行い、従業員のセキュリティ意識を向上させましょう。

第三者の視点を取り入れる

セキュリティに問題がないかを確認するためにセキュリティチェックを受けて、脆弱性のある部分がどこかを把握し、重点的に対策を行うようにしましょう。

記事まとめ

記事まとめ

DX推進はコストの増加や業務効率の低下による社員からの反発などにより、多くの企業で難航しています。また、DX推進によってサイバー犯罪が増加しており、重要情報の漏洩やシステムダウンによる業務停止の可能性も増えています。

しかし、DX推進と合わせてサイバーセキュリティ対策を行うことで、重要情報や会社を守ることができます。

この記事では、サイバーセキュリティを行う場合の3つのポイントについて紹介しました。

  • OSやソフトウェアを更新する
  • IDやパスワード管理を徹底する
  • ウィルス対策をする
  • セキュリティ意識を向上する
  • 第三者の視点を取り入れる

DX推進を進める場合はサイバー攻撃から会社や重要情報を守るためにも、サイバーセキュリティ対策を行うことを徹底しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
フッターバナー
目次