中小企業の業務改善とは?2026年最新の進め方を解説

人手不足や業務の複雑化などを背景に、業務改善の必要性を感じている中小企業は多いのではないでしょうか。

近年は、会計や勤怠管理などに特化したSaaSが充実し、RPAによる業務の自動化や生成AIの活用も広がっています。以前と比べて、業務改善の選択肢は大きく増えました。

一方で、「業務改善を進めたいが、何から始めればよいかわからない」「自社の業務にはどのようなツールが適しているのか判断できない」という声もあります。

業務改善というと、新しいシステムの導入や作業の自動化をイメージしがちですが、必ずしもツールを導入する必要はありません。現在の業務の進め方を見直すだけで、改善できることもあります。

この記事では、2026年の中小企業を取り巻く状況を踏まえながら、業務改善の考え方や具体的な方法、Excel・SaaS・RPA・AIの活用について解説します。

目次

中小企業で業務改善が求められている理由

人手不足と生産性向上への対応

中小企業にとって、人手不足は重要な経営課題の一つです。

中小企業庁の「2026年版中小企業白書」でも、人手不足への対応や、労働生産性を高めることの重要性が示されています。

人材の確保が難しい状況では、現在の人数で業務を進められるよう、仕事のやり方を見直すことも必要です。

例えば、毎日繰り返している入力作業や確認作業を減らすことができれば、その時間を顧客対応や営業活動などに充てられるかもしれません。

ただし、業務改善は従業員の仕事量を単純に増やすためのものではありません。不要な負担を減らし、限られた時間を有効に使える環境を整えることが大切です。

属人化や非効率な業務の見直し

中小企業では、特定の担当者しか対応できない業務が残っていることもあります。

例えば、毎月の集計作業を一人の社員が担当しており、作業手順がマニュアル化されていない場合です。

担当者が休暇を取得したり、異動・退職したりすると、業務が滞ってしまう可能性があります。

また、長年同じ方法で作業を続けているうちに、不要な確認作業や二重入力が当たり前になっていることもあります。

業務改善では、こうした作業を整理し、誰でも対応できる仕組みをつくることも重要です。

SaaSや生成AIによって改善の選択肢が広がっている

以前から業務改善にはExcelや業務システムなどが利用されてきましたが、現在はさまざまな業界・業務に特化したSaaSが提供されています。

会計、勤怠管理、経費精算、顧客管理、受発注管理など、それぞれの業務に適したサービスを選べるようになっています。

さらに、生成AIの普及によって、文章や書類の処理だけでなく、業務改善の方法を考えたり、Excelの関数やマクロを作成したりすることも容易になってきました。

IPAの「DX動向2026」でも、国内企業におけるAI導入が広がる一方、活用による成果は業務効率化や迅速化が中心となっていることが示されています。

新しい技術が増えた今だからこそ、それぞれの特徴を理解し、自社の業務に合った方法を選ぶことが重要です。

業務改善は現在のやり方を見直すことから始める

業務改善を検討する際、最初に「どのツールを使うか」を考えてしまうことがあります。

しかし、ツールを選ぶ前に確認したいのが、現在の業務の目的と作業手順です。

その作業は本当に必要なのか

例えば、毎月複数のExcelファイルからデータを集め、集計表を作成している業務があるとします。

時間がかかっているため、RPAで自動化しようと考えるかもしれません。

しかし、その前に、複数のExcelファイルを一つにまとめられないか、元のシステムから必要なデータを直接取得できないか、といった点を確認することも大切です。

場合によっては、データの管理方法を変更するだけで、転記作業そのものが不要になることもあります。

また、長年作成している報告書が、現在はほとんど利用されていないというケースも考えられます。

そのような場合、報告書を作成する作業を自動化するよりも、作成自体を見直した方が効果的かもしれません。

今ある作業をそのまま効率化するのではなく、まずは必要な作業なのかを確認しましょう。

業務のゴールから逆算して考える

業務改善では、その業務の目的を明確にすることが重要です。

例えば、毎月の売上を正確に把握することが目的であれば、必要なのは売上データを適切に確認できる状態にすることです。

そのために、現在使っている集計表や作業手順が本当に必要なのかを考えます。

目的から逆算して作業を整理すると、不要な入力項目や重複している確認作業などが見つかることがあります。

「これまでこの方法でやってきたから」ではなく、「何を達成するために、この作業を行っているのか」という視点を持つことが、業務改善の第一歩です。

中小企業が取り組める業務改善の方法

業務改善には、ツールを使わずにできるものから、既存システムの活用、新しいITサービスの導入まで、さまざまな方法があります。

ここでは、中小企業が検討しやすい代表的な方法を紹介します。

1. 業務手順やルールを見直す

まず検討したいのが、現在の業務手順を整理することです。

例えば、同じ情報を複数の書類に記入していないか、不要な確認や承認がないか、担当者によって作業方法が異なっていないかを確認します。

ファイルの保存場所を統一する、申請書の項目を減らす、作業手順をマニュアル化するといった方法でも改善できることがあります。

新しいツールを導入せずに取り組めるため、最初に確認したい方法です。

2. Excelの関数やマクロを活用する

Excelを使った業務であれば、関数やマクロによって作業を効率化できる場合があります。

例えば、毎月のCSVファイルを取り込んで集計する、複数の表を照合する、重複データをチェックするといった作業です。

Excelには標準で利用できる機能も多いため、既存の環境を活用して改善できる可能性があります。

また、生成AIに必要な処理を説明することで、関数やVBAマクロのコードを作成してもらうこともできます。

ただし、AIが作成したコードは必ずしも正しいとは限りません。実際の業務に使用する前に、テスト用のデータで処理結果や動作を確認する必要があります。

3. 業務に特化したSaaSを導入する

現在は、さまざまな業界や業務に特化したSaaSが提供されています。

例えば、次のようなサービスがあります。

  • 会計・経理:会計処理、請求書発行、経費精算
  • 人事・労務:勤怠管理、給与計算、各種申請
  • 営業:顧客管理、商談管理、営業活動の記録
  • 製造業:生産管理、在庫管理、受発注管理
  • 医療・介護:施設運営、勤務管理、各種記録・情報共有

こうしたサービスには、それぞれの業務に必要な機能があらかじめ用意されているため、現在の作業を大きく見直せる場合があります。

例えば、Excelで経費精算を行っているのであれば、入力や承認、集計まで対応したSaaSを利用することで、業務全体を簡素化できる可能性があります。

一方で、サービスの導入には費用がかかります。また、現在の業務に合わせた設定や、運用方法の変更が必要になる場合もあります。

機能が豊富だからという理由だけで選ぶのではなく、必要な機能があるか、現在の業務に合っているか、無理なく運用できるかを確認することが重要です。

4. RPAで繰り返し作業を自動化する

RPAは、パソコン上で行う定型的な操作を自動化するツールです。

例えば、Excelから業務システムへの転記、Webシステムへの入力、定期的なデータ取得などに活用できます。

既存のシステムを大きく変更せずに自動化できる場合があることも特徴です。

ただし、RPAは導入すればすぐに使いこなせるものではありません。

操作方法を覚えるだけでなく、対象業務の手順を整理し、シナリオを作成して、正しく動作するかを確認する必要があります。

特に複雑な業務では、条件分岐やエラーへの対応なども必要になるため、習得には一定の時間がかかります。

最初から複雑な業務の自動化を目指すのではなく、比較的簡単な作業から始め、少しずつ経験を積んでいくことが大切です。

5. AIを活用して情報処理や書類作業を効率化する

生成AIやAI-OCRを活用することで、文章や書類を扱う業務を効率化できる場合があります。

例えば、社内マニュアルから必要な情報を探す、請求書やFAXの内容を読み取る、報告書の下書きを作成するといった用途があります。

また、AIで読み取った情報をRPAで別のシステムへ入力するなど、複数のツールを組み合わせる方法も考えられます。

ただし、すべての業務にAIが適しているわけではありません。

決まった計算や集計であればExcel、特定の業務全体を管理するならSaaS、繰り返しの画面操作であればRPAというように、それぞれの特徴を理解して使い分けることが大切です。

2026年の業務改善では、まずAIに相談する方法もある

業務改善に取り組もうとしても、自分たちだけでは改善方法が思いつかないこともあります。

そのような場合は、まず生成AIに相談してみるのも一つの方法です。

現在の作業手順をAIに伝えて改善方法を考える

生成AIには、現在の業務内容や困っていること、最終的にどうしたいのかを説明して、改善方法を提案してもらうことができます。

例えば、次のような相談です。

「毎月、複数のExcelファイルから売上データを集め、手作業で集計しています。作業時間を減らしたいのですが、どのような改善方法がありますか。Excelの関数やマクロ、SaaS、RPAなどを比較して教えてください。」

このように質問することで、現在の業務を整理しながら、改善方法の候補を検討できます。

また、作業の目的や手順を詳しく伝えれば、不要な工程がないか、別の方法に置き換えられないかといった視点からも意見を得られます。

もちろん、AIが提案する方法が必ず最適とは限りません。具体的なツールの機能や費用などは、各サービスの公式情報を確認する必要があります。

それでも、改善方法を考えるための相談相手として、AIを活用する価値はあるでしょう。

AIにExcelマクロやテンプレートを作成してもらう

生成AIは、改善方法の提案だけでなく、実際に使用するものの作成も支援できます。

例えば、売上管理表や在庫管理表のテンプレート、Excelの関数、CSVデータを集計するマクロなどです。

これまで自分で調べながら作成していたものも、AIに必要な条件を伝えることで、短時間で試作品を用意できる場合があります。

また、一度作成して終わりではなく、「この項目を追加したい」「この条件の場合は集計対象から除外したい」といった修正を依頼することもできます。

ただし、生成されたファイルやコードをそのまま本番業務に使用するのではなく、正確に動作するかを確認することが大切です。

特に、データの削除や上書きを伴うマクロについては、元のファイルをバックアップしたうえで、十分に検証する必要があります。

また、AIに業務を相談する際は、顧客情報や機密情報を安易に入力せず、社内の利用ルールに従いましょう。

中小企業が業務改善を進めるためのポイント

まずは小さな業務から始める

業務改善は、最初から大きな成果を目指す必要はありません。

毎日繰り返している入力作業や、毎月の集計作業など、比較的取り組みやすい業務から始める方法があります。

小さな改善でも、実際に効果が確認できれば、次の取り組みにつなげやすくなります。

また、改善を進める担当者にとっても、経験を積む機会になります。

一度に複数の業務を変えようとするのではなく、まずは一つの業務で改善を試してみることをおすすめします。

現場の担当者を巻き込む

業務改善を進めるうえで重要なのが、実際に作業を行っている担当者の存在です。

日々の業務には、マニュアルに書かれていない細かな判断や、例外的な処理が含まれていることもあります。

こうした内容は、現場の担当者でなければ把握できない場合もあります。

そのため、経営者や情報システム担当者だけで改善方法を決めるのではなく、現場の意見を取り入れながら進めることが大切です。

また、一人の担当者に改善活動を任せきりにするのではなく、必要に応じて関係部署を含めた小さなチームをつくることも有効です。

通常業務と改善活動を両立できるよう、担当者が作業する時間を確保することも考えておきたいところです。

ツールを導入して終わりにしない

新しいシステムやツールを導入しても、実際の業務で使われなければ十分な効果は得られません。

例えば、便利な機能を持つSaaSを導入しても、従業員が以前のExcel管理を続けていれば、かえって管理する情報が増えてしまう可能性があります。

RPAやAIでも同じです。

導入すること自体が目的にならないよう、現場で継続して利用できるか、想定していた効果が出ているかを確認する必要があります。

また、実際に使ってみることで、導入前には気づかなかった課題が見つかることもあります。

業務改善は一度で完成するものではありません。利用状況を確認しながら、改善を続けていくことが重要です。

AIやRPAを活用した業務改善ならMICHIRU

株式会社MICHIRUでは、企業の業務効率化を支援する「MICHIRU RPA」と「MICHIRU AI」を提供しています。

MICHIRU RPAは、ExcelやWebシステムなど、パソコン上で繰り返し行う定型業務の自動化に活用できます。

一方、MICHIRU AIは、書類のOCR処理、社内ナレッジの検索、翻訳など、AIを活用した業務効率化に対応しています。

また、AIによる書類の読み取りとRPAによるシステムへの入力を組み合わせるなど、業務内容に応じた活用も可能です。

もちろん、業務によってはExcelの見直しやSaaSの導入など、別の方法が適している場合もあります。

大切なのは、現在の業務を整理し、改善したい内容に合った方法を選ぶことです。

AIやRPAを活用した業務改善を検討されている場合は、お気軽にご相談ください。

まとめ

中小企業の業務改善では、新しいツールを導入することよりも、まず現在の業務の進め方を見直すことが重要です。

その作業は本当に必要なのか、何のために行っているのかを確認することで、今まで気づかなかった改善方法が見つかるかもしれません。

業務改善の方法には、手順の見直し、Excelの活用、業務特化型SaaSの導入、RPAによる自動化、AIによる情報処理など、さまざまな選択肢があります。

また、生成AIの普及によって、業務改善の方法をAIに相談したり、Excelのマクロやテンプレートの作成を支援してもらったりすることもできるようになりました。

ただし、どのようなツールでも、導入して終わりでは意味がありません。現場の担当者と協力し、実際の業務で使える仕組みをつくることが大切です。

まずは身近な業務から小さく始め、効果を確認しながら改善の範囲を広げていきましょう。

参考資料

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